腟トリコモナス症と性周期に関する臨床的研究
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概要
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昭和43年10月5日より12月6日までの約2カ月間,沖縄本島内子宮癌集団検診に参加する機会を得,被検者総数6320名中trichomonas vaginalis患者765名をPapanicolaou染色標本鏡検にて検出し本症の島内検出頻度及び本症と性周期の関係につき臨床的立場より検討を加え次の結論を得た.1.沖縄本島及び1離島のtrichomonas vaginalis平均検出率は12.1%であるが,これは又年令及び地域により差がある.2.月経周期を有する群では,正常月経周期に伴う卵巣ホルモンの消長によりその検出率は影響を受けない.これはClassII以上の異形細胞被検出者群及び〓爛患者群でも同様である.3.trichomonas vaginalisの検出率は,月経周期を有する群より,50才以上の閉経者群に,又月経周期を有するClassIの群よりClassII以上の異形細胞被検出者群に有意の差で高い.4.月経周期を有する〓爛患者群と非〓爛患者群の打1chomonas vaginalis検出率は有意の差で〓爛患者群からの検出率が低い.又出血性〓爛とtrichomonas vaginalis検出率に有意の差はなく,trichomonas vaginalisの感染は〓爛に出血傾向をもたらす原因とは云えない.5.trichomonas vaginalisは腟上皮細胞に炎症性変化を起こすが,癌化作用はないものと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-12-01
著者
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