人卵管の末〓自律神経支配に関する研究
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概要
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卵管運動と自律神経作用は密接な関係を有するが,その機能状態が交感性,副交感性の何れに支配されているか明らかでない.Dale(1961)によると卵管はFrankenhauser氏神経叢及び卵管神経叢に支配され,両神経叢は交感性及び副文感性神経線維よりなる.卵管の末〓自律神経支配を明らかにする為人卵管を用い,交感神経の追求にNoradrenaline(NA)及びMonoamine oxydase(MAO)を,副交感神経の追求にspecificcholine esterase(AcnE)を検索し,この結果を基にして電子顕微鏡で神経末端を観察し2〜3の知見を得たので報告する.1)人卵管の筋層,固有層では全卵管を通じてNAの存在が緑色又は緑黄色の螢光線維として証明され,特に峡部で豊富であつた.2)AchEを、示す線維が峡部筋層,固有層にみられるが,膨大部,釆部では非常に弱い.3)MAO活性は全卵管を通じ上皮細胞質に反応し,筋層,固有層では極めて弱くNAの局在とは全く一致しない分布を示した.4)電顕による観察では,卵管筋層部の神経末端及び神経筋接合部に2種類の顆粒が存在し,そのうち電子密度の高い芯を持つた顆粒を含む末端が全体の約70%に現われる.これが交感神経性末端と考えられ螢光法による緑色線維の念珠状形態に一致する所見と考えられる.又筋細胞間にnexusは認められず卵管の神経伝達はneurogenicと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-12-01
著者
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