岡林式子宮頚癌根治手術後に合併する尿路感染の予防法について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
岡林式子宮頚癌全摘術は術式が広汎性のため尿路や周囲組織の侵襲が大きく,術後に尿路感染を発生しやすい.その頻度は100%で,いづれも留置導尿期中に認められる.この感染は細菌がカテーテルの内腔並びにカテーテルと尿道の間隙を上行して発生するもので,その防止策として著者は,閉鎖式留置蓄尿装置並びにurethral maskingを考案した.この併用により感染は2.9%に減少した.しかるに留置期に感染を防止しえても,それに続く時間導尿期に感染が50%に認められる.この際の感染は,導尿により尿道内細菌が膀胱内に搬入されることによつて発生するものである.従つてこの防止策としてchlorhexidineによる膀胱洗滌を施行すると感染を12.5%に減少せしめえた.かかる方法により尿路感染が防止されると,術後の自尿開始は促進され,残尿量からみた膀胱機能の回復も早められる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-12-01