精子,精液及び睾丸免疫と不妊に関する研究 : 所謂精子抗体の精子及び受精卵に及ぼす影響
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概要
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精子,精液及び睾丸等で免疫された雌動物が不妊になるのは,主として抗体による精子の運動障害の結果であろうと考えられて来たが,私は抗体の精子自体に対する作用や受精卵に及ぼす影響を検討してみた.即ち,家兎の睾丸や精液等を抗原として得られた異種及び同種免疫血清を精子に作用させ,この精子で人工授精を行ない,受精及びその後の経過を観察したところ,抗体価の高い抗血清で処置された精子は運動性があつても受精せず,低値の抗体処置精子では受精しても,以後発育不能となるものがあり,抗体が精子に何等かの本質的変化を惹起させるのではないかとの所見が得られた. 次に,試験管内で受精卵に抗体を作用させて移植したところ,着床は障害されなかつたが,以後死滅するものがあつた.又,上記抗原で予め免疫された動物に非処置受精卵を移植すると,着床するものが殆んどなく,着床しても死滅した. 以上の諸事実から,該抗体は精子の運動のみならず,精子自体にも本質的変化を来たすことや,受精卵にも作用して着床及び以後の発育を阻害することが推察された.
- 1969-10-01
著者
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