THE STUDY OF PLACENTAL L-ASCORBATE (VITAMIN C) TRANSPORT MECHANISM (USING MICROVILLOUS MEMBRANE VESICLES)
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概要
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満期人胎盤より分離した微絨毛膜小胞を用いて、急速膜濾過法によってL-ascorbateの胎盤輸送機構の検討を行なった。微絨毛膜小胞へのL-ascorbateの取り込みは、浸透圧に感受性を示す小胞内への実際の輸送を示すことが明らかにされた。L-ascorbateの微絨毛膜小胞内への取り込みは小胞内外のNa^+の電気化学的濃度勾配には依存しなかった。また、透過性の高い陰イオンを用いて小胞内外に小胞内が陰性となるような膜電位ポテンシャルを形成した時にも、L-ascorbateの小胞内への取り込みに変化はなかった。L-ascorbateの微絨毛膜小胞内への取り込み初速度はL-ascorbateの濃度に依存した飽和kineticsを示し、Km値としては1.33mM、またVmax値としては47p mol/mg protein/20secが得られた。L-ascorbateの微絨毛膜小胞内への取り込みはD-isoascorbateによって阻害された。胎盤微絨毛膜におけるL-ascorbate輸送は輸送担体(carrier)の関与した受動輸送であることが明らかにされた。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-05-01