Human Tumor Stem Cell Assay を用いた婦人科悪性腫瘍の抗癌剤感受性試験
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概要
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32人の婦人科悪性腫瘍患者より得られた37検体を用い Human Tumor Stem Cell Assay (HTSCA)により抗癌剤感受性試験を行った。34例中3例が細胞数不足のためテストできず、20例はテストに必要な十分な数のコロニーを形成しなかったためテストできず、11例のみが薬効判定可能であった。卵巣癌5例、子宮頚癌1例、計11例に婦人科領域で使用頻度の高い10種類の抗癌剤を用い、単独に51回テストを行い20回有効薬剤を判定できた。6人の患者についてHTSCAと臨床効果との相関性を検討した。 in vitro で感受性ありと判定した薬剤を含む多剤併用療法を行った4例中3例において臨床効果が認められ、感受性なしと判定した2例とも臨床効果が認められず、6例中5例(83%)において in vitro の成績と臨床効果が一致した。HTSCAと臨床効果との相関性は高く、HTSCAの結果に基づく新しい組合わせの多剤併用療法による著効例を得る事もできた。一方、HTSCAは検査法が繁雑で多大の労力を要し費用も高い。single cell suspension の作製が困難な事、テストに必要な十分な数のコロニーを形成する率が低い事、かなりの量の試料を必要とする事、新鮮臨床材料を用いるため追加テスト、再現性の確認が行えない等の問題点が解決されれば、HTSCAの抗癌剤感受性試験としての有用性は高まるものと思われる。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-05-01
著者
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