ハイリスク妊娠の胎児心拍数図ならびに胎盤所見と児の予後に関する研究
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概要
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正常妊娠168例、妊娠中毒症25例を含むハイリスク妊娠36例で、妊娠中胎児心拍数図によるnon stress test(NST)、母体血中エストリオール、分娩時胎児心拍数図、出産体重、胎盤所見及び Apgar スコアの相互関係を比較検討した。1.胎盤梗塞は妊娠中毒症重症で他のハイリスク妊娠、正常妊娠に比べて多くみられた。2.異常NSTは、胎盤梗塞のあるハイリスク妊娠で多くみられた。3.胎盤梗塞のある群、ハイリスク妊娠で、light for dates(LFD)児が多く、特に胎盤梗塞のあるハイリスク妊娠で異常NSTを認めた5例中3例にLFD児を認めた。4.分娩時胎児仮死は異常NST群で高頻度にみられ、異常NSTを認めた胎盤梗塞のあるハイリスク妊娠では5例中3例が子宮内胎児死亡に至った。5.出生5分後 Apgarスコアは、胎盤梗塞のある群、異常NSTを認めた群では低値であった。6.胎盤梗塞部比率は異常NSTを認めたハイリスク妊娠で高かった。7.血中エストリオールは、正常妊娠に比べてハイリスク妊娠、異常NST群、胎盤梗塞で有意差を認めなかったが、胎児死亡2例で低値を示した。以上によりハイリスク妊娠、特に妊娠中毒症においては、異常NSTの出現は高度の胎盤機能障害を示唆するものであり、胎児予後の悪化を推測させ、重要である。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-05-01
著者
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