IUGR(子宮内胎児発育遅延)妊娠における母体血中estriolならびにestetrolの動態とその意義
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概要
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IUGR(intrauterine growth retardation)妊娠において, 母体血中estriol(E_3), estetrol(E_4)及び尿中E_3の動態を解析し, これら両ホルモンの意義を比較検討した.1)妊婦血中非抱合型E_3及びE_4値はradioimmmunoassay(RIA), 尿中E_3値はE_3キつト法で行なつた.2)対照群とした正常妊娠における血中E_3及びE_4値は, 妊娠経過に伴ない漸次上昇し, 特にE_3では妊娠34週, E_4では妊娠36週以降に急上昇した.3)IUGR妊娠群(15例)の各ホルモン動態を, 生児を得て娼擁異常症あるいは母体合併痒がたいか又は軽症であつた群(A群), 生児を得て重症の妊娠異常症あるいは母体合併症のあつた群(B群), 周産期児宛亡群(C群)に分類し検討した.尚, 診断規準として, 血中E_3及びE_4値では正常値域(M.±S.D.内), 低値域(M.-S.D.以下), 高値域(M.+S.D.以上)を, 尿中E_3値では正常値域(警戒域以上), 低値域(警戒域以下)を定めた.A群では血中E_3, E_4及び尿中E_3値いずれも正常値域を推移する例が多かつた.B群では血中E_3値では正常値域を, 尿中E_3値は低値域を推移する例が多く, 一方血中E_4値は全例高値域を準移した.C群では, 3ホルモン値いずれも胎児及び児死亡直前に低値域に分布したが, 血中及び尿中E_3値は血中E_4値に比較してより早期から低値域を推移した.4)血中E_3及びE_4値と胎螺重熟児出産体重などの胎盤友び胎児因子との一次相関関係を検討した結果, E_3は胎盤及び死因子と, E_4は死因子との間に相関関係があつた.以上の結果の解析より, E_3及びE_4は胎児一胎盤系の同一内分泌系で生合成される点で類似したホルモンであるが, どちらかと言えばE_3は胎盤機能との関連が深く, 一方E_4は胎児機能との関連が深いホルモンであることが判つた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-01-01
著者
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