子宮頚癌における間質反応と臨床免疫的因子との相関に関する研究
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概要
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子宮頚癌Ib,II期213例の根治手術施行例について原発病巣の間質反応と各種臨床免疫的パラメーター及び予後どの相関について,検討し,以下の結果を得た.(間質反応は強度群,軽度群,欠如群に分けて検討した.)(1)原発病巣の癌浸潤の深さとの関係について,各群において浸潤度の少ないα,β型の占める頻度は,強度群61.7%,軽度群51.2%,欠如群35.7%であり,強度群と欠如群との間に有意差を認めた(p<0.05).(2)所属リソバ節転移について,転移例の頻度は,強度群14.9%,軽度群26.0%,欠如群32.6%であり,強度群と欠如群との間に有意差を認めた(p<0.05).(3)各種免疫皮膚反応DNCB,PHA,PPD皮膚反応との関係について,DNCB皮膚反応陽性率は,強度群72.4%,軽度群59.7%,欠如群52.0%であり,強度群と欠如群との間に有意差を認めた(p<0.05).しかし,PHA,PPD皮膚反応では有意の差は認められたかった.(4)末梢血絶対リンパ球数,単球数及びPHAに対するリンパ球幼若化率との関係については,間質反応と有意の差は認められなかった.(5)各種免疫皮膚反応陽性率と間質反応との関係ではDNCB反応陽性率は間質反応強度群と欠如群との問に有意差を認めた(p<O.05).(6)所属リンパ節転移の有無からみた間質反応との関係では,所属リソパ節転移陽性率は間質反応強度群と欠如群との間に有意差を認めた(p<0.05).(7)予後どの関係について,再発率は,強度群13.6%,軽度群22.2%,欠如群28.6%であり,5年生存率は,強度群86.4%,軽度群81.5%,欠如群71.4%であったが,いずれにおいても有意の差は存在したかった。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-04-01