周生期におけるラットの成長,発育に関する生化学的研究,特に肝Arginase活性の変動
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概要
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周生期におけるラット肝細胞を核分画に分離し,それぞれのarginase活性を測定し次の結果を得た.1)核分画のarginaseのkmは1.7×10^2であった.非核分画のkmは3.8×1^2であった.2)非核分画のarginaseは熱処理によって急激にその活性は低下する.一方核分画のarginaseは45℃5分の間の加熱で活性化される.3)非核分画のarginase活性は胎仔期から新生仔期にかけて直線的に増加し生後21日目にほぼadult levelに達する4)胎仔期における核分画のarginase活性は胎齢19日目までは低値であるが,20目より急増する.この増加のパターンは胎仔肝臓のtotal DNA量の変化と類似している.新生仔期における核分画のarginase活性の変動は出生直後は胎齢21日目よりも低値を示すが,生後1日目に急増し,以後その活性は低下し再度上昇するという特異な傾向を示した.以上の結果より,同しarginaseでも細胞内局在の相違によつて機能が異なるものと思われる.特にDNAとの関連から核分画のarginaseは主として胎児(仔)の成長,発育の鍵を握る重要な酵素のひとつではないかと推測される.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-03-01
著者
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