人黄体のProgesterone産生に対するEstrogenの抑制作用について
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概要
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13名の正常周期婦人の黄体期にestradiol-17β(E_2)1mgを2時間かけて点滴静注し経時的に6時間連続採血を行い血中のprogesterone(P), LH, FSHをradioimmunoassayで測定した.黄体期後期E_2注射群では6例中全例にPの著明な減少が認められたが黄体期初期E_2注射群では一定の傾向が認められず逆に2例に増加傾向が認められた.LHレベルは黄体期初期E_2注射群では,7例中全例に著明な減少が認められたが黄体期後期E_2注射群では6例中4例に減少が認められた.FSHレベルは黄体期初期及び後期E2注射群ともにわずかな減少傾向を示した.LHレベルとP値との間には相関は認められなかつた.一方in vitroのincubation実験でpregnenoloneをPに変換させる酵素であるΔ^5-3β-ol-dehydrogenase enzyme system(3β-ol-dh)を人黄体組織より分離しそれを用いてpregnenolone-^3H→progesterone-^3Hへの反応系に各種エストロゲンを添加しprogesterone ^3H産生に対するエストロゲンの影響を定量的に判定した.E_2とestroneは3×10^<-7>Mの濃度から抑制を示し3×10<-5>Mではprogesterone-^3Hへの変換率はコントロールに比べ30〜40%に減少した.estriolは3×10^<-5>Mの濃度で70〜80%の減少を示した.これに対し合成エストロゲンであるmestranol, stilbestrolでは全く抑制が認められなかつた.以上の結果よりE_2は人黄体のP産生を抑制することをin vivo及びin vitroで証明しえた.また作用機序としては,E_2が黄体に直接作用して黄体中の3β-01-dhを抑制することによつて起ることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1978-02-01
著者
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