超音波診断装置による妊娠子宮増大の観察
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概要
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超音波診断装置を用いて妊娠初期(第6週より第15週)の正常妊娠子宮の体部長,最大前後径,最大横径,最大横断面積,子宮大部体積について測定して正常妊娠および切迫流産の子宮の変化を比較検討した.正常妊娠子宮で(1) 初産,経産での子宮体部長,前後径,横径,子宮大部体積には差はなかつた.(2) 子宮体部長(Y_1)は第6〜7週8.0cmより第14〜15週12.4cmと増加し週数と子宮体部長との関係はr=+0.835 (P<0.01) Y_1=0.45×W(週数)+5.05であつた.(3) 最大前後径(Y_2)は第6〜7週5.7cmより第14〜15週7.7cmとなりr=+0.47(P<0.01)Y_2=0.36×W+2.89. (4) 最大横径(Y_3)は第6〜7週7.2cmで第14〜15週11.3cmと増加した.r=+0.771(P<0.01)Y_3=0.51×W+4.2. (5) 最大横断面積(Y_4)は第6〜7週31.4cm^2となり第14〜15週65.6cm^2と増大しr=+0.668(P<0.01) Y_4=2.51×W+19.5. (6) 子宮体部体積(Y_5)は第6〜7週186cm^3より第14〜15週591cm^3と増加し,r=+0.791(P<0.01). Y_5=25.12×W+58.96. (7) 満期産した切迫流産例は子宮体部長,最大前後径,最大横径,最大横断面積,子宮体部体積は全て正常例に比し平均値はやや小さいが有意差はなかつた.(8) 流産に終つた切迫流産例は9例中8例が正常妊娠例および満期産した切迫流産例に比し5計測値共小さい傾向にあつた.(9) 異常妊娠例として筋腫合併妊娠,胞状奇胎の子宮体部長と子宮体部体積を正常妊娠例と比較すると筋腫合併妊娠は大きく胞状奇胎は不安であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1978-11-01
著者
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