絨毛上皮腫の臨床病理学的研究 : 特に発生過程を中心として
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概要
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絨腫,破奇ならびに奇胎についての種々の臨床病理学的研究の結果,絨腫発生につき次の如き結論を得た. 1. 絨腫は種々の妊娠から発生し得るが,初期妊娠,特に奇胎妊娠後に発生することが多く,晩期妊娠後の発生は著しく少ない. 2. 発生年令は妊娠可能のすべての年令層にわたり,妊娠の種類による特徴も見出しがたい. 3. 妊娠後比較的短期間で発生するが,非奇胎初期妊娠ではその傾向が著しく,晩期妊娠ではそれほどでなく,奇胎後では長短2様の潜伏期を示す場合が区別できる. 4. 奇胎後では非奇胎後の場合に比し,長期潜伏例でも病巣の小さい動合が少なくない. 5. 特に奇胎先行後の初期と認め得る例で子宮壁内に埋没状に病巣を認める場合が多く,R. Meyerの静脈内奇胎からの絨腫化の可能性が強い. 6. 絨腫の前に破奇が先行する可能性は,破奇の予後不良例や奇胎のfollow-upの検討でも認めることができる. 7. 絨腫の発生には臨床上monophasic及びbiphasic或はpolyphasicな種々の過程が認められ多様性が著しいと認められる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-06-01
著者
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