妊婦血,〓帯血,新生児血,新生児尿および羊水中α-fetoproteinについて
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概要
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1. 妊婦血中α-fetoprotein(以下AFPと略)は妊娠第3月末より出現しはじめ,妊娠月数とともに増加し,妊娠第9月末で最高値(420ng/ml)に達し,以後平担ないし減少傾向を示し,産褥1ヵ月で検出不能となつた.分娩後のAFPの生理的半減期は約3日であつた. 2. AFPは〓帯動・静脈血間で有意差はなかつたが,相関はみられた.また,これらと母体間にも相関がみられた. 3. 絨毛性腫瘍では絨毛上皮腫肝転移例を除きAFPは検出できなかつた. 4. 双胎妊娠,子宮内胎児死亡,妊娠中毒症重症,糖尿病妊婦において,母体血中AFPが高値を示すことが多かつた. 5. 無脳児,水頭症,胎児軟骨異栄養症において,母体血中AFPは正常範囲内であつたが,羊水中AFPは異常高値を示した. 6. 妊娠第8〜10月で出産した新生児尿中AFPと妊娠月数との間に一定の関係はみられなかつた.しかし尿中AFPとクレアチニンの比は次第に減少する傾向を示し,羊水中AFPの減少傾向と似ていた.満期産新生児尿中AFPはほとんど全部10ng/ml以下であつた.妊娠第8〜10月においては胎児尿中AFPは羊水中AFPのかなりの部分を占めていると考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-12-01
著者
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