人子宮内膜癌に関する電子顕微鏡的並びに免疫組織化学的研究 : 特にEstrogen ReceptorとCarcinoembryonic Antigenの局在を中心に
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概要
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概要 人正常子宮内膜、内膜増殖症、子宮内膜癌を光頭的に観察し、微細構造所見は形態計測法により解析し、さらにER(Estrogen Receptor)、CEA(Carcinoembryonic Antigen)の局在を免疫組織化学的に検索し、以下の結果を得た。 1)内膜癌70例は光頭的にGradeI53例(76%)、Grade?10例(14%)、Grade?7 例(10%)と分類され、平均年齢はGI50。6歳、G?49。3歳、G?57。1歳と低分化癌で高齢の傾向が見られた。 2)電顕的形態計測法による解析により、G?の低分化癌ではGIの高分化帰に比し細胞は小型で、N/C比は大きく、ミトコソドリアは少なく、GI、G?ではG?に比し粗面小胞体の発達が顕著に見られた。 3)ERは増殖期内膜、分泌期内膜においてそれぞれ25%、内膜増殖症で36%、内膜癌では54%の陽性率を示した。うちGI62%、G?40%、G?14%に分化度が低くなるほど、陽性率は低下の傾向にあつた。 4)CEAは正常内膜では陰性で内膜増殖症で陽性率8%、内膜癌では64%の陽性率を示し、GIが68%、G?が60%、G?が43%とER同様、分化度が低くなるにつれ陽性率は漸減した。 5)内膜癌において扁平上皮化生部のER陽性率は56%、CEA陽性率は88%と高率を示した。 6)内膜癌においてER陽性例中CEA陽性例は63%と両者に関連性が見られた。 7)内膜で帰化に伴いER、CEAの局在が見られ、強陽性例では細胞内の粗面小胞体の発達が顕著であつた。 8)以上、子宮内膜癌におけるER、CEAの局在が、癌細胞の形態ならびにその機能性と密接に関係があることが示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-09-01
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