子宮頚癌の抗腫瘍性エフェクター機構に対するInterleukin 2 (IL-2) の影響に関する研究
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概要
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概要 子宮頚癌を対象として、担癌生体の抗腫瘍性エフェクター機構に対するIL-2の影響を解析する目的で、患者末梢血単核球のIL-2添加培養に伴うDNA合成能、リンパ球サブセットおよび各種キラー活性[Natural killer (NK)、Lymphokine activated killer (LAK)、Killer T]の変動について検討した。またNK、LAK活性ぱ手術後および放射線治療中の変動についても検討を加え、以下の成績を得た。 1)DNA合成能はIL-2添加培養により進行度とぱ関係なく対照群と同程度の促進を示した。 2)リンパ球サブセットについてはIL-2添加培養により対照群と同様OKT4/8比の減少とLeu 7の減少の軽減を認めた。 3)NK活性ぱ対照群に比し有意の低下を示し、特に?期、?期で著明であつた。またIL-2添加培養により進行度とは関係なく対照群と同程度の増強活性値を示した。 4)LAK活性は対照群と同程度の値を示した。またIL-2添加培養により進行度とぱ関係なく対照群と同程度の増強活性値を示した。 5)自家癌に対するキラー活性もIL-2添加培養により有意に増強する事を認めた。 6)手術後の変動についてぱ、NK活性ぱ術後1〜2週目まで低下傾向を示すものの、大半は術後4週目で正常範囲までの回復を認めた。LAK活性はほぼ正常範囲内で経過した。また両活性ともIL-2添加培養により術後の各時点いずれにおいても治療前と同程度の増強活性値を示した。 7)放射線治療によりNK、LAK活性の低下傾向を認めた。またIL-2添加培養による両活性の増強活性値は治療終了時点において治療前に比し各々有意の低下を認めた。以上よりIL-2による患者単核球における各種抗腫瘍性エフェクター機構(NK細胞、LAK細胞、明確ではないがKiller T細胞)の賦活化が確認され、頚癌の手術治療あるいはより困難性が予測されるものの放射線治療に際しての補助免疫療法としてIL-2を応用し得る可能性が示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-12-01
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