マウス実験的子宮頚癌の発生・増殖と局所交感神経系の相関に関する研究
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概要
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実験的子宮頚癌の発生, 増殖と周囲交感神経系の相関について知るため, 6-hydroxydopamine (6-OH-DA) 投与による交感神経障害下で20-methylcholanthrene (MC)糸法を用いて頚癌発癌を行い侵入癌出現率, 好発部位, 占拠面積を検討した. さらに, 発癌させた子宮頚部 (頚部)での交感神経終末の態度と norepinephrine (NE)含有量の推移を見た. 1. 6-OH-DA投与群で大型の腫瘤を形成する傾向を認めたが, 侵入癌出現率, 好発部位では対照群と有意差はなかつた. 2. 螢光組織化学法による発癌頚部の観察から, 腫瘍周囲では交感神経伝達物質NEによる蛍光の減弱が見られ, 腫瘍内には螢光を認めなかつた. 3. 発癌頚部NE含有量はMC糸挿入後12週時より有意に低下し, 腫瘍内では測定不能であつた. 以上より, 実験的頚癌において交感神経障害状態はその増殖に促進的に作用すること, 交感神経は腫瘍内には認められず, 腫瘍周囲でも障害されていることが判明した. これより実験的頚癌では周囲交感神経系は何らかの原因で障害され, その増殖に有利な環境が作られている可能性が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-07-01
著者
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