マウス卵子成熟における蛋白質チロシンリン酸化の検討
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概要
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マウス卵子成熟における蛋白質チロシンリン酸化の役割について, チロシンリン酸化阻害物質genisteinおよび抗ホスホチロシンモノクローナル抗体を用いて検討し, 以下の結論を得た. 1. 胚胞崩壊(GVBD:germinal vesicle breakdown)はgenisteinによって濃度依存性かつ可逆的に抑制された. 2. Genisteinと膜透過性cyclic nucleotide誘導体のdbcAMP又はprotein kinase C活性化物質のTPAを同時添加することより, 相乗的なGVBD抑制が認められた. 3. Genisteinは, dbcAMPと同様にGVBDにともなう蛋白質リン酸化パターンの変化を抑制した. 4. 抗ホスホチロシンモノクローナル抗体の顕微鏡下細胞内注入によりGVBDの遅延がみられた. 5. 第1極体放出はgenisteinによって濃度依存性に抑制された. 6. Genisteinは卵子成熟が第1減数分裂中期に到達した前後に作用して, 第1極体放出を抑制すると考えられた. 以上より, マウス卵子成熟に蛋白質チロシンリン酸化が関与することが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1996-12-01
著者
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