水素ガスクリアランス法による子宮頚部循環動態の研究
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概要
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水素ガスタリアランス法を用いて,非妊婦,妊娠初期,中期,末期の妊婦子宮頚部循環血流量(以下CxBFと囲各す)を測定することにより,月経周期とCxBFの開運性の追求と,妊娠が頚部組織循環動態におよぼす影響につき検討した.1.19例の非妊婦のCxBFは54.1±22.0m1/min/1009(以下単位階)であった.非妊婦人の増殖期前半では63.1±38.0,後半は54.5±12.6,分泌期前半では65.2±17.1であったが後半になると25.3±8.9と低値を示した.すなわち,分泌期後半では増殖期後半,分泌期前半よりCxBFが減少した(p<0.05).このことより,CxBFはホルモン動態に左右されていると考えられる.2.CxBFと摘出子宮重量との相関はたかった.3.妊娠6〜7週のCxBFは96,8±11.3で,8週は48.6±26.4,9〜13週は55.5±9.8であり,CxBFは妊娠初期に最も多く漸次減少する.妊娠初期のCxBFは繁生絨毛あるいは胎盤の頚部からの距離の影響を受けると考えられる.4.妊娠37週以降のCxBFは22.5±10.8で,妊娠末期にCxBFは減少した(r=-0.759,p<0.01).妊娠末期の減少は頚部の循環不全の状態をあらわしたもので,頚管の成熟と関係があると考えられる.5.胞状奇胎例ではCxBFは106.6と同週数の正常妊娠例と比べ高値を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-04-01
著者
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