体外受精・胚移植の固定卵胞刺激法におけるhMG製剤のFSH/LH比の臨床的意義
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概要
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異なるFSH/LH比を有するhMG製剤について, GnRHaのlong term法を併用した7日間固定卵胞刺激法(7-DAYS SCHEDULE)を用い, IVF-ETにおいて, どのhMG製剤が有用かを検討した. 対象は当院におけるIVF-ET患者の140人とし, FSH/LH比が3 : 1のhMG製剤を投与した84人をA群とし, 1 : 1の36人をB群, pure FSH (1 : <0.0003)の20人をC群とした. 各群とも, 前周期の黄体期初期よりBuserelin 900μg/dayを連日鼻腔内投与し, 消退出血後, down regulationを確認したうえで, 先に採卵日を決定し, 逆算してその9日前よりhMG 300IUを7日間投与した. 刺激周期の血清E_2値を測定し, A群に対しB, C群の発育卵胞数, 採卵数, 受精率, 分割率, 胚移植数, 妊娠率を比較検討した. 結果 : 1. 血中E_2値は, day-2(hCG注射日=day0)において, C群がA群に比較して有意に低値を示した. 2. 発育卵胞数はC群(9.8±4.5)で多い傾向にあったが, 採卵率(採卵数/発育卵胞数)はA 群(95.1%)が有意に高かった. 3. 受精率, 分割率, 胚移植率に有意差はなかったが, 均等分割率(均等分割卵数/分割卵数)はA群(67.6%)が有意に高かった. 4. 胚移植あたりの妊娠率は, A群38.3%, B群14.8%, C群6.7%で採卵あたりの妊娠率は, A群30.7%, B群12.5%, C群5.6%とA群はB, C群に比較して有意に高かった. 以上の結果より, 7-DAYS SCHEDULEでは, 3群のうちFSH/LH比が3 : 1のhMG製剤が採卵率, 均等分割率を向上させ, 良好な妊娠率を得るうえで効果的であることが示唆された.
- 1995-11-01
著者
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