hCG-ReceptorによるhCG測定法に関する研究
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概要
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豚睾丸homogenateの1,100G-2,000G分画を用いて^<125>I-hCGのreceptorへの結合及び各種蛋白質ホルモンの阻止反応を検討した.更に尿,及び血清hCGのradioligand receptor assay (RRA)を試み,以下の成績が得られた.(1)^<125>I-hCGは,豚睾丸homogenateのreceptorに特異的に結合し,37℃で60分迄は結合の増加が見られた.この結合はfreeのhCG及びLHにより抑制されるが,FSH, TSH, GH等はこの結合に対して正常分泌域では影響せず,Insulin及び生物活性を失活したheat-hCGは抑制力を認めなかった.(2)尿中及び血清中には^<125>-hCGのreceptorへの結合を抑制する因子の存在が示唆された.この抑制は,尿を8倍以上希釈するか,血清ではAlbertのfraction-Bの方法に基づき抽出操作後,認められなくなつた.(3)正常妊娠及び絨毛性腫瘍hCGは,標準hCGの阻止曲線と平行関係を認めた.この結果,尿hCGは8倍希釈以上,血清hCGは抽出操作後の試料を用いてRRAで測定可能である事が明らかとなつた.(4)尿を8倍以上希釈した試料についてhCG値をRRAで測定し,同時に同一試料をradioimmunoassay (RIA)で測定し,比較検討した. RRA値とRIA値の比(R/I)は平均1.13であり,両者間の相関係数はr=0.99であつた.この結果,現在広く臨床的に用いられているRIA値は,ホルモンの活性値をかなり表現していると考えられた.又,絨毛性腫瘍hCG (N=20)のR/Iは1.75で,正常妊娠(N=54)のR/Iの0.91と比べ,やや高い傾向を認めた.(p<0.001)
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-06-01
著者
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