不妊領域における子宮内膜日付診に関する研究
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概要
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不妊臨床上,子宮内膜日付診は卵巣-子宮内膜系を総合的に診断するための有力な手段であるが,現在なお種々なる問題点を含んでいる.今回,2相性基礎体温を有する不妊婦人を対象として子宮内膜日付診断法,日付診と黄体機能の関係,および卵巣hormoneに対する内膜反応性について検討し以下の結果を得た. 1) 日付診断法として新しい"interval法"を開発した.従来の算定法と"interval法"を比較し本法の有用性を認めた.120例について本法を実施した結果,正常98例(81.7%),異常22例(18.3%)であつた. 2) 妊娠例について各種日付診算定法との関係をみると"interval法"において相関性を認めた. 3) 日付診異常例の血清progesterone値は正常例に比し低値を示した.しかし,日付診異常13例中,2例は血清progesterone値が正常域にあつた. 4) estrogen, gestagenを投与して内膜分泌像を検索した結果,estrogen primining後,estradiol valerianate 10mgと17-alpha-hydroxyprogesterone caproate 250mg投与から1週後の内膜像が各投与形式中最も生理的に近い分泌期像を示した.しかし,本投与法において内膜反応不全を示すものもみられた. 5) 日付診異常例にhormone測定と本投与法を活用することにより内膜反応不全,黄体機能不全,および両者の混合型の鑑別診断が可能である.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-02-01
著者
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