胎児心拍数自動解析に関する基礎的研究
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概要
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分娩時に計算機を利用してオンラインで胎児心拍数変動の解析を行つた.図形観察では修正評価点がよい指標とされているので,簡単で適当なパラメータを決定するため修正評価点と6種類のパラメータ間の単相関係数を求めてみると,総評価点に対しては0.962, BS・Sでは0.838, dip areaでは0.783であつた.正常群48例とHonの基準に基づいた図形診断によるFD群13例について,分娩第1期基準の総評価点が経過中最大値では10点,各例平均値では2点において両群を区別できた.修正評価点では最大値23点,各例平均値5.5点において両群を区別できた.dip areaでは最大値32bpm・min, 各例平均値8bpm・minでおおよそ判別は可能であつた.総評価点が修正評価点よりも計算が簡単であり,自動診断のパラメータとして最適と考えられる.Hammacherのいわゆるoscillationの平均値の分布をみると,心拍数図図形診断による正常例29例では5〜6,variable deceleration4例では9〜10, loss of baseline irregularity 1例では1〜2にそれぞれピークがみられ,各群間に明らかな差を認めた.したがつてこのパラメータはsilent patternやvariable decelerationの診断に有用である.つぎにDIP SHAPEとIRREGULARITY IN DIPの各値を求めると,variable decelerationとlate decelerationの両群間に有意差を認め,したがつて典型的なvariableおよびlate decelerationの判別に有用と考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-11-01
著者
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