妊婦トキソプラスマ症の疫学的観察
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概要
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鹿児島, 宮崎, 沖縄3県の妊婦3, 445例について妊婦ト症の疫学的調査を行つた.1)HAによる陽性率は, 鹿児島県39.1%, 宮崎県26.2%, 沖縄県16.1%であつた.2)陽性率は, 海岸と農村で高く, 加令と正の相関を示した.3)動物飼育者では非飼育老に比べ, 陽性率は有意の高率を示した.4)既往に流・早・死産のあつたものは, 陽性群で27.1%, 陰性群で27.4%で, ほとんど差は認められなかつた.5)今回の妊娠の経過は, 高抗体価を示すもので異常の頻度が高かつた.児になんらかの異常があつたものは, 陽性群に多くみられたが, 先天ト症との関連は認められなかつた.6)母児についてIgG, IgA, IgM, IgEを検索してみたが, ト抗体価との関連は認められなかつた.7)IgMト抗体の検出に著者による吸収法も用いた.8)IgMト抗体はHA陽性の妊婦28例中11例に検出されたが, 臍帯血では1例も認められなかつた.以上のことから, 妊婦ト症は妊娠経週の異常となんらかの関係があると思われるが, 母体がト症に感染しても児に以降することは少ないのではないかと考えられる.
- 1976-12-01
著者
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