卵巣機能不全婦人における合成LH-RH投与時の血清LHおよびFSHの動態
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概要
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主として卵巣機能不全に基づく不妊婦人31例を研究対象として合成LH-RHを種々な方法で投与した場合の血清LH, FSHの反応をradioimmunoassayで検討した. 1. LH-RH皮下注射後の血清LHおよびFSHの反応は次の4群に分類できた.a) 血清LH, FSHともに反応のよいもの.b) FSHの反応が正常でLHの反応が全くあるいはほとんどみられないもの.c) LHの反応が正常でFSHの反応がわるいもの.d) LHおよびFSHの反応がともにわるいものの4群である. 2. 7例を対象として同一の患者に1週間以上の間隔をおいて100, 500および1000μgのLH-RHを単独皮下注射した場合,LH-RHの増量とともに血清LHおよびFSHがpeakに到達する時間が延長した.反応総和よりLH-RHに対する血清LHおよびFSHの反応の程度を検討した結果,500μg投与時のそれが最大で,次いで100μg, 1000μg投与時の順になつている. 3. 3例においてLH-RH皮下注射のLHおよびFSH反応に対するepimestrol (epiestriol)前処置の効果を検討したがその影響がほとんどみられなかつた. 4. 7例に100または200μgのLH-RHを1日1〜2回,4〜10日間連日皮下注射した結果,血清LH, FSHはほゞ同様な反応を示し,連日よく反応した.しかし1日2回投与例においてはLH, FSHともに午後の反応が午前の反応より低下する傾向がみられた. 5. 2例にLH-RH 500μgを約3時間にわたつて点滴静注した結果,注射終了後にLHの最高値がみられ,その約1時間後にFSHの最高値が出現した.その反応時間は長く注射開始4〜5時間後まで高値が持続した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-05-01
著者
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