婦人科細胞診の理論と実際
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The points of this presentation are reform of the theory relating to "Dysplasia and Carcinogenesis" and the cytological methods. In 1976, Meisels and Fortin reported that dysplasia is the disease caused by Human papilloma virus (HPV), and surprisingly, intermediate cells infected by HPV possessed the ability of proliferation and mitosis, resulting in binucleation and multinucleation. In cytology, dysplasia is thought to be delivered from basal cells and abnormal cells are differentiated from lower layer to upper layer, the grade of dysplasia is judged from the level of cell-defferentiation. In histology, however, differentiated cells are thought to be normal cells from the histological definition. Therefore, the hisological theory cannot explain the fact that the appearance of the abnormal cells from the all layers in cytology of the mild dysplasia. This discrepancy can be understood well if we think it is caused by HPV infection. HPV (ds-DNA) can only prolifirate using cellular factors. And as keratinocytes is important with relating to this proliferation, HPV affects human intermediate layer and upper layer. In HPV-infected cells, HPV-E6 protein and E7 protein can bind the products of p53 and pRB, suppressor genes, respectively. These lead to degradiation of these proteins' function, acceleration of cell proliferation, and abnormality of cell-cycle time. Our fundamental theory of dyskaryosis is based on these findings. Mild dysplasia is transfered from intermediate layer to upper layer and vanish after cell maturation. Immortalization, transformation, and gene alteration are important factors for carcinogenesis. The deletion of chromosome 3p is one of the most important genetic changes during carcinogenesis. On the basis of carcinogenesis theory described above, the cytological findings of HPV-infected cells are classified into three steps. Step I, early stage, is dyskeratosis and nuclear enlargements of intermediate cells. Step II, middle stage, is the increasing of binucleated cells from intermediate layer to upper layer, small number of parabasal cells with dyskaryosis, and giant cell formation. Stap III, late stage, is binucleation, multinucleation, karyorrhexis, bizzare-cells, and many other findings of parabasal cells. Step III include two important findings. 1. appearance of small cells, 10-15μm in diameter 2. appearance of a cluster of small hyperchromatic cells Finally, we should discriminate small cells identified as cancer cells, from differentiated dyskaryotic cell. And the stage of dysplasia should not be decided by the degree of cell differetiation from low layer to upper layer, but by the careful observation on the abnomal cells from upper layer to lower layer.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1994-08-01
著者
関連論文
- 18 子宮頸部悪性腺腫の一例
- 子宮体部明細胞癌培養株(TMCC-2)の樹立とその性状
- 146. 子宮頸部サイトブラシ擦過検体における良性子宮頸管腺,腺上皮内癌及び子宮頸部腺癌の極性角度について(子宮頸部III)(第32回日本臨床細胞学会総会)
- ヒト卵巣癌株のin vitro制癌剤感受性試験に関する研究 : 特に細胞形態を指標とする基礎的検討を中心に
- 131.Flow-Cytometryによる組織細胞分散法の試み(第34群:総合〔自動化1〕, 一般講演, 第22回日本臨床細胞学会総会)
- 103.子宮膣部に於ける選択細胞診について(第23群 婦人科(集検), 一般演題, 第24回日本臨床細胞学会総会)
- サイトブラシおよび綿棒擦過法による細胞診の比較 : 特に腺系細胞に注目して
- ワIII-1. 集団検診における細胞診の役割(集団検診における細胞診の役割)(第32回日本臨床細胞学会総会)
- 110.子宮内膜細胞診classIIIの取扱い方針について : 特に細胞構築異常に着目して(婦人科15:子宮体部, 示説演題, 第29回日本臨床細胞学会秋季大会学術講演会)
- 94.子宮体癌における内膜細胞診採取法の違いによるstromal Aの出現頻度について(婦人科12:子宮体部, 示説演題, 第29回日本臨床細胞学会秋季大会学術講演会)
- 217.若年性子宮体癌の一例(婦人科1 : 子宮体部, 一般講演・示説, 第31回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 44.上皮内癌に出現する裸核状基底型細胞と子宮頚管腺細胞について(婦人科7 : 子宮頸部, 一般講演・口演, 第31回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 61.子宮頸管部smearにおける綿棒およびcytobrushの採取法による相異 : S期細胞(BrdU標識細胞)の出現状態も含め(婦人科2 : 採取法, 示説, 第28回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- S-6 細胞診の精度向上に寄与する新技術 : LSCとin situ TRAP法
- 細胞像からみた悪性度 : 特に子宮頸部の異型上皮から初期の浸潤癌を中心に(癌細胞像の悪性度, シンポジウムI, 第17回日本臨床細胞学会総会)
- 産婦人科領域における細胞診の解説
- 婦人科領域における悪性細胞と誤診しやすい変性型再生上皮の細胞学的考察
- 171.悪性細胞と誤認した再生上皮の変性(婦人科3, 一般演題, 第19回日本臨床細胞学会総会)
- 22.子宮頸部上皮内腺癌の形態学的特徴について(婦人科6 : 子宮頸部, 一般講演・口演, 第29回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 11.子宮頸部異形成病変におけるDNA aneuploidyの解析 : 子宮頸部II
- Peutz-Jeghers syndromeに合併した若年者悪性腺腫の一例 : 第36回日本臨床細胞学会秋期大会 : 子宮頸部II
- P-204 CGH (comparative genomic hybridization)法を用いた、子宮体癌における遺伝子学的変異の解析
- 177 ホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いたcomparative genomic hybridization (CGH)法の確立
- 160 CGH (Comparative Genomic Hybridization)法による卵巣明細胞腺癌の遺伝学的変化の検討
- 113 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対する光線力学的治療(PDT)の検討
- 100 CGH(Comparative Genomic Hybridization)法による子宮頚癌の発生・浸潤過程に関わる遺伝学的変化の検索
- 300 婦人科悪性腫瘍に対するCytometric DNA ploidy analysisにおけるFalse Aneuploidyの意義と成因に関する研究
- 18 遺伝子増幅と欠失を同時に検出できる分子細胞遺伝学的手法CGHを用いた子宮頚部発癌過程における遺伝学的変化に関する研究
- 317. chromosome構造異常検出におけるcentromere, whole chromosome probe同時FISHに関する基礎的研究(卵巣VII)(第35回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 29. 子宮頸部上皮内癌に対する光力学的療法(P.D.T)後の細胞像について : 特に放射線細胞診との比較を中心に(子宮頸頚部IV)
- 181. 共焦点レーザー顕微鏡による光学的細胞断層像の細胞診断学への応用(技術I)(一般講演・口演)(第33回日本臨床細胞学会総会)
- 352. FCMによるDNA ploidy検索における検体処理法の検討と細胞診による確認(技術I)(第32回日本臨床細胞学会総会)
- 33 Laser Scanning Cytometry(LSC)を用いた子宮頚部病変のDNA解析, とくにDNA量, PIピ-ク値と細胞形態との相関
- 213 セルトリ・間質細胞腫瘍の一例
- コルポ像と細胞診
- 癌の遺伝子情報と細胞形態
- 子宮頚部初期病変に対する光線力学的治療(PDT)の臨床的効果
- FISHおよびDOP-PCR CGH法を用いた微量がん細胞の検出法について : 第36回日本臨床細胞学会秋期大会 : 分子生物学的手法による微量がん細胞の検出法
- 283. 印環型細胞像を呈した外陰の悪性黒色腫の一例(その他の女***II)(第35回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 17 子宮頸部上皮内腺癌の2例(婦人科 頸部II)(示説演題)(第31回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 1O.多彩な組織像を呈した子宮頸部腺扁平上皮癌の一例(婦人科1 : 子宮頸部(III), 示説, 第28回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 314. 早期卵巣悪性腫瘍および境界悪性群におけるDNA ploidyの検討(卵巣VII)(第35回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- Comparative Genomic Hybridization(CGH)による婦人科癌の分子細胞遺伝子学的解析
- 92 CGH法によるオーストラリアの卵巣癌68例の細胞遺伝学的変化の検索
- 27 C.I.Nに対するPDT(Photodynamic therapy)療法
- 子宮頸癌細胞における HPV DNA の検出ならびに c-myc 遺伝子との分子細胞遺伝学的関連
- Mild dysplasiaを合併した子宮頸部Human papillomavirus感染症の細胞像と追跡調査
- 62. シスプラチン耐性卵巣癌細胞のフローサイトメトリーによる検討(第2報)(婦人科19 : 卵巣)(第30回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 107.子宮体部未分化癌培養株(TMCC-2・U)の樹立とその性状(婦人科14:子宮体部, 示説演題, 第29回日本臨床細胞学会秋季大会学術講演会)
- 子宮頸部上皮内腺癌の1例
- 14 子宮頚部擦過細胞におけるfalse aneuploid peakの成因について(子宮頸部III)(示説演題)(第32回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 25. flow cytometryを利用した子宮頚部擦過細胞におけるDNA aneuploidyの検討(子宮頸頚部III)
- 472 共焦点レーザー顕微鏡を用いた光学的細胞断層像による細胞内蛍光の局在に関する研究 : 特に臨床応用への可能性について
- 143. 初診時、子宮頸部腺扁平上皮癌が疑われ、放射線療法1年後子宮頸部腺癌のみが見られた一例。(子宮頸部II)(第32回日本臨床細胞学会総会)
- シIII-1. 卵巣腫瘍の細胞診 : 細胞形態学的特徴の再検討(卵巣腫瘍の細胞診)(第32回日本臨床細胞学会総会)
- 284 レーザー顕微鏡による細胞内螢光の局在に関する研究 : 特に新しい画像解析法としての細胞断層像の原理と意義について
- 30.子宮頸部病変におけるCytobrushの有用性(婦人科2:子宮頸部, 示説演題, 第29回日本臨床細胞学会秋季大会学術講演会)
- 205.シスプラチン耐性卵巣癌細胞のフローサイトメトリーによる検討(婦人科15 : 卵巣, 一般講演・口演, 第31回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 127.FCMにおける固定標本に対する細胞分散法の検討とその細胞形態(婦人科11 : 子宮体部, 一般講演・口演, 第31回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 子宮頸部原発悪性黒色腫の1症例
- 158.子宮頸部細胞診から診断がついた膀胱癌の一症例(膀胱 : (II), 示説, 第28回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 99.癌性腹膜炎を合併した卵巣癌症例におけるDNA aneuploidyの検索と細胞形態(基礎 : (I), 示説, 第28回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 38.原発性卵管癌の二症例(婦人科1 : 卵管, 示説, 第28回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 105.子宮頸部病変における抗BrdU抗体を用いた細胞組織化学的研究 : 細胞診への応用とその意義(婦人科16: 子宮頸部, 一般講演・口演, 第30回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 69.子宮頸部腺癌培養株TMCC-1における細胞内増殖因子と細胞形態の相関(培養1 : 婦人科, 一般講演・口演, 第30回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- W-IV-3.上皮内癌の細胞診 : ABC分類による鑑別法と裸核状基底型悪性細胞(S細胞)の出現について(上皮内癌の細胞診, ワークショップ(IV), ワークショップ, 第30回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 卵巣癌と子宮頸部上皮内癌が合併した1例
- 135.レーザー顕微鏡(Laser Scanning Microscopy,LSM)による細胞内蛍光の局在に関する研究(基礎, 一般講演・口演, 第29回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 7.子宮内膜漿液性腺癌の1症例(婦人科2 : 子宮体部, 一般講演・口演, 第29回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 1.細胞診断学におけるFlow Cytometryの応用(Cell Sortingによる細胞機能と形態の相関)(フローサイトメトリーによる細胞の解析 : 特に臨床検体処理法とDNA分析, ワークショップ(V), 第29回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 338 エキシマレーザーを用いた光線力学治療による子宮頸癌保存的療法に関する研究 : コルポスコープへの連結と臨床応用への可能性
- 9 子宮頸部病変の細胞診におけるDNA合成期(S期)細胞の同定
- 244.抗BrdU抗体,酵素抗体染色によるDNA合成期(S期)細胞の同定 : 細胞診への応用(婦人科21 : 基礎(I), 示説, 第26回日本臨床細胞学会秋期大会学術講演会)
- 148.卵巣癌と子営頸部上皮内癌が合併した一症例(婦人科1 : 卵巣(I), 示説, 第26回日本臨床細胞学会秋期大会学術講演会)
- 161.扁平上皮領域に発生した異形成の1例(婦人科3 : 子宮頸部, 一般講演・口演, 第28回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 154.FDA,PI同時蛍光染色からみた子宮頸部擦過細胞の形態(flow cytometryを用いたliving cell, dead cellの分別による分析)(婦人科1 : 子宮頸部, 一般講演・口演, 第28回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 48.抗BrdUモノクローナル抗体をもちいたS期細胞の同定によるcycling cellとnoncycling cellの形態(総合5 : BrdUモノクローナル抗体, 一般講演・口演, 第28回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- ラIV-4.Ki-67抗体による子宮頸部組織の増殖細胞の同定(モノクローナル抗体, ラウンドテーブルディスカッション(IV), 第28回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 430. 子宮頸癌組織のDNA合成期細胞の分布と標識率の測定 : 抗BrdU抗体・酵素抗体染色法を用いて
- 子宮頸部Ia期癌の細胞診 : 特にその判定基準について
- 104. Cycling 3C(S期)細胞と non cycling 3C細胞の形態 : 抗Brd Uモノクローナル抗体を用いた flow cytometryによる分析(総合9:免疫抗体法2, 一般演題口演, 第27回日本臨床細胞学会学術集会)
- 106 子宮癌細胞の機能と形態に関する研究 (第1報 : flow cytometryを用いたmultiparameterによるcycling cell同定の原理と基礎的検討)
- 15. 卵巣淡明細胞癌の細胞所見(示説, 第24回日本臨床細胞学会秋季大会記事)
- 極めてまれな子宮頸部の verrucous carcinomaの1例 : 特にその細胞診とコルポ診について
- 110. FVDA, PI同時染色による Iiving cell, dead cellの分別からみた子宮頸癌細胞の形態(婦人科18 その他その1, 一般講演・口演, 第26回日本臨床細胞学会学術集会)
- 107. 上皮表層の異型が極めて弱い子宮頸部高分化扁平上皮癌の1例(第24群 : 婦人科, 示説, 第23回日本臨床細胞学会秋季大会記事)
- Flow cytometry および顕微蛍光測光法による子宮頸部扁平上皮癌細胞の形態と核DNA量の相関
- 子宮体癌の細胞診診断基準作成の試み : 特に新しい採点法の考案
- 118.腹水細胞診における癌細胞の形態学的変化と血清IAP値の経時的測定による治療効果判定への応用(第15群 卵巣, 示説, 第22回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 98.FLOW-cytometryによる正常子宮扁平上皮細胞の月経周期とcell-cycleとの関係について(第22群 婦人科(自動化), 一般演題, 第24回日本臨床細胞学会総会)
- 49.細胞診で発見した子宮頸部原発悪性黒色腫の一例(第12群 婦人科(頸部(1)), 一般演題, 第24回日本臨床細胞学会総会)
- Flow-cytometryのための組織細胞分散法の確立
- 化学療法の効果判定における腹水細胞診およびFlow Cytometryの応用
- 11.Flow-cytometryによる子宮膣部扁平上皮化生細胞の核DNA分析(婦人科II(腟部), 示説, 第21回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 160.核DNAパターンからみたdysplasia,上皮内癌の異常細胞に対する新しい考え方 : 第32群 基礎腫瘍学 II(157〜160)
- 127.Flow Cytometry及び顕微蛍光測光法による核DNA量と細胞形態の相関(第31群:婦人科〔子宮頸部(II)〕, 一般講演および示説, 第23回日本臨床細胞学会総会)
- 26.癌細胞の治療による形態学的変化とIAPの経時的測定の意義(第7群:婦人科〔制癌作用(I)〕, 一般講演および示説, 第23回日本臨床細胞学会総会)
- 2.自動細胞診における基礎的研究 : 特に組織分散からみた核DNAパターンと細胞形態の特徴について(細胞診の自動化, ディスカッサント, ラウンドテーブルディスカッション(VI), 第23回日本臨床細胞学会総会)
- Flow-cytometryによる子宮腟部正常扁平上皮細胞の核DNA量
- 39.化学療法の治療効果判定における腹水細胞診及びFlow Cytometryの応用(第9群:婦人科〔9〕, 示説, 第20回日本臨床細胞学会秋期大会)