ヒト羊膜培養細胞のprostaglandin E_2産生に及ぼすカルシウム拮抗剤の影響
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概要
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ヒト羊膜培養細胞のprostaglandin E_2 (PGE_2) 産生に及ぼすカルシウム拮抗剤の影響について検討した。羊膜細胞をinterleukin-1β (IL-1β) により刺激し, 同時にカルシウム拮抗剤ならびに種々の薬剤を添加して培養上清中のPGE_2濃度を測定し, 以下の成績を得た。1. dihydropyridine系カルシウム拮抗剤のnifedipine, nicardipine, nilvadipineは羊膜細胞のPGE_2産生を濃度依存性に抑制し, 100μMにおいてそれぞれ60%, 80%, 80%抑制した。非dihydropyridine系のverapamil, diltiazemは羊膜細胞のPGE_2産生を全く抑制しなかった。2. EGTA 2mM添加により培養液中のCa^<2+>をキレートしたところ羊膜細胞のPGE_2産生は32%しか抑制されなかった。3. nifedipine, nicardipine, nilvadipine100μMはphospholipase A_2 (PLA_2) 活性をそれぞれ60.3%, 89.3%, 83.9%抑制し, それぞれの50%抑制濃度は76.2μM, 36.7μM, 44.6μMであった。verapamil, diltiazemはPLA_2活性を抑制しなかった。以上の結果よりdihydropyridine系カルシウム拮抗剤は細胞膜のカルシウムチャンネルとは無関係に羊膜細胞内のPLA_2を直接抑制することによりPGE_2産生を抑制することが示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1994-02-01
著者
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