PRENATAL DIAGNOSIS OF CONGENITAL ADRENAL HYPERPLASIA DUE TO 21-HYDROXYLASE DEFICIENCY WITH DNA ANALYSIS
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概要
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21水酸化酵素欠損症は先天性副腎皮質過形成の90%以上を占め, 日本では, 約15,000人に1人の頻度である. 筆者は本症の胎児診断を可能とする目的で6家系においてDNA解析を試みた. 患児とその家系構成員では末梢血白血球, 胎児では初期絨毛組織よりDNAを抽出し, 制限酵素TaqI, EcoRI, BglII, HindIIIで切断した. プロープとして, 21水酸化酵素遺伝子(pC21/3c)と補体第4成分(C4)遺伝子(pAT-A)を用い, Southern hybridizationを行った. 胎児診断を行った家系1, 2, 3においてTaqI-PC21/3Cの組み合わせで, 患児はすべて, 機能遺伝子である3.7kbの遺伝子を欠損していたが, 胎児はすべて3.7kbの遺伝子を持ち, 21水酸化酵素欠損症ではないと診断した. 家系4の患児では, 遺伝子欠損は認められず, RFLPsは検出されなかった. 家系5は患児では遺伝子欠損が認められなかったが, TaqI-pAT-QAの組み合わせで, 父は5.8kb, 母, 第1子, 患児は5.8kb/5.2kbのRFLPを示し, 発症していない第1子は, 保因者であることが推測された. 家系6でほ第2子の患児が死亡していたが, 父, 母, 第1子は, TaqI-pC21/3cの組み合わせで3.7kbが3.2kbより弱い濃度を示し, 流産絨毛は, 同じ濃度を示した. 第1子は保因者, 流産絨毛は21水酸化酵素遺伝子に関し正常であることが示唆された. 本症の患児を持ち, 胎児診断を希望する家系についてDNA解析を行い, 胎児診断および保因者診断が可能であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-02-01
著者
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