ヌードマウス移植腫瘍を用いたヒト子宮頚部腺癌の化学療法に関する基礎的研究
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概要
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子宮頚部腺癌に対する有効な抗癌化学療法のregimenを開発するために, ヌードマウス移植継代ヒト子宮頚部腺癌株を樹立し, それを用いてヌードマウスin vivo系において, 各種抗癌剤の有効性を検討した. まず光顕にて移植腫瘍は原腫瘍と同様に子宮頚部内頚部型腺癌であり, また電顕でも腺癌の性格を保持していることを確認した. 移植腫瘍の倍加時間は9.2±1.4日であった. 抗癌剤感受性試験は11種の薬剤の単剤投与によるスクリーニングで薬剤を選定し, それをもとに多剤併用実験を行った. 効果判定はBattelle Columbus Laboratories Protocolにしたがい, また病理組織学的効果も検討した. その結果, 単剤投与では有効なものはみられなかったが, 多剤併用投与ではMitomycin C(MMC)+Cyclo-phosphamide (CPM)二剤併用法の相対腫瘍縮小率が72.9%, MMC+CPM+Methotrexate(MTX)三剤併用法の相対腫瘍縮小率が80.9%(T_n/T_o=0.84)となり, それぞれ有効と著効と判定された. また病理組織学的にはこの両併用法ともに大星・下里らによる基準でgrade IないしIIの効果を認めた. 以上の結果より, 子宮頚部腺癌に対してはMMC+CPM併用が有効なregimenであり, さらにMTXの追加により抗癌効果が増強することが示唆された.
- 1991-02-01
著者
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