妊娠中毒症胎盤における形態学的変化についての研究
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概要
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妊娠中毒症の原因および病態をさぐる目的で, 中毒症胎盤の微細構築上の変化について検討した. 1. 絨毛毛細血管は, 妊娠中毒症満期産例では内腔が拡張し, 早期産となるような重症例では狭小化していた. また, 中毒症の重症化に伴い trophoblast の割合が増加していた. 2. 毛細血管や trophoblast の変化は, 胎盤の一部では代償反応がみられ, ほかでは機能低下がみられた. 3. 妊娠中毒症の胎盤絨毛は, 表層構造では絨毛の分岐が少なく分芽状で妊娠初期に似ているが, 内部構造は間質に乏しく, 発育不全の状態と考えられた. 4. 妊娠中毒症胎盤での微細構築上の変化として, 次のような所見が得られた. TEM で, スリット状毛細血管の減少, 毛細血管の拡張または狭小, 内皮細胞の肥厚,中間径フィラメントの増生, 毛細血管内腔への villi 状ないし小空胞状の突出, syncytial knot, cytotrophoblast の増生, microvilli の棍棒状肥大. SEM で, 絨毛の皺の増加, syncytial knot の増加等.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-10-01
著者
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