ラット卵巣におけるGnRHレセプター局在についてのautoradiographyによる検討
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概要
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ラット卵巣におけるGnRHレセプターの局在およびその変動を調べ生理的意義を検討する目的で, autoradiographyにより性成熟過程における幼若雌ラット, および各種ホルモン処置下垂体摘出雌ラット卵巣のGnRHレセプターの局在を調べ, 同時に^<125>I-GnRH analogのuptakeを測定し, 以下のような成績を得た. 1) ^<125gt;I-[D-Ser (tBu)^6-des-Gly-NH_^<10>]GnRH ethylamide (^<125>I-GnRH analog)は下垂体と同様, 卵巣でも特異的にuptakeされた. 2) 性成熟過程において卵巣の^<125>I-GnRH analogのuptakeは7〜49日齢でみると7日齢から日齢とともに増加し, 21日齢でpeakとなり, その後は49日齢まで漸減した. 3) 下垂体摘出ラットにnative GnRHを投与すると卵巣の^<125>I-GnRH analogのuptakeは増加し, PMSG投与では減少した. 4) autoradiographyによる卵巣でのgrainの局在は14日齢より間質細胞, 顆粒膜細胞に認められ, 卵胞発育に伴ってgrainの局在は大卵胞の顆粒膜細胞に増加し, 間質細胞では減少した. 5) 下垂体摘出ラットにおいては, DES処置ではgrainは間質細胞に多く認められ, DES+PMSG投与では顆粒膜細胞に多く認められた. 以上, GnRHレセプターがラット卵巣に存在し, そのレセプターがgonadotropinやGnRHで調節され, 性成熟過程において卵巣のGnRHレセプターの局在が卵胞発育に伴って間質細胞から顆粒膜細胞に変動することをautoradiographyにより証明した. このことは, GnRHまたはGnRH様物質が卵胞発育に関与していることを示唆するものである.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-09-01
著者
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