婦人科悪性腫腋瘍由来細胞株に対するモノクローナル抗体MSN-1,およびHMST-1の細胞障害作用の解析 : モノクローナル抗体の治療応用への基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
子宮体部分化型腺癌より樹立した培養細胞株SNG-IIを免疫原として作製したマウス型モノクローナル抗体MSN-1(subclass:IgM), および子宮体部腺癌患者の根治手術時摘出リンパ節をリンパ球原として得たハイブリドーマより得られるヒト型モノクローナル抗体HMST-1 (subclass : IgM)の子宮頚部扁平上皮癌由来細胞株SKG-IIIb, および子宮体部腺癌由来細胞株SNG-IIに対する補体依存性細胞障害作用(complement dependent cytotoxicity: CDC), および抗体依存性細胞介在性細胞障害作用(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity : ADCC)について, ^<51>Cr遊離反応により測定し, 検討した. 1) モルモット補体を用いたCDCでは, MSN-1はSNG-II細胞に対し38.4±4.2%, HMST-1はSNG-II細胞に対し41.9±4.8%と, 両抗体ともに40%前後の有意なCDC活性が認められた. 一方, SKG-IIIb細胞に対しては有意なCDC活性ほ認められなかった. 2) ヒト末梢血より比重遠沈法により分離した単核球分画の非付着細胞を効果細胞effector cellとして, マウス型モノクローナル抗体(Mo-Ab) :MSN-1, およびヒト型Mo-Ab :HMST-1の両抗体のSKG-IIIb細胞, およびSNG-II細胞に対するADCC活性を測定したが, 両抗体ともに両細胞株に対し有意には認められなかった. 同時に, 同じリンパ球単独の赤白血病株K-562に対する細胞障害作用は40%程度であったのに対し, SNG-IIに対し9%程度, SKG-IIIbに対し2%程度であり, SKG-IIIb, およびSNG-IIはNK非感受性株であることが示唆された.
- 1990-07-01
著者
関連論文
- 301 中腎糸球体を組織発生とする卵巣腫瘍の存在について
- 305 胎生期のヒト中腎器官のα-fetoproteinおよびα-1-antitrypsinの免疫組織学的染色性について
- 209 ヒト性腺の発生過程に関する新しい見解
- 25 子宮体癌に対する2種のモノクロナール抗体の治療応用への基礎的研究
- 216 一酸化窒素合成酵素のヒト正常胎盤における発現
- P-518 炎症胎盤モデルにおけるIUGR発生機序について
- P-257 in vitroにおける絨毛血管モデル作成の試み
- P-57 子宮頚癌発生過程における3番染色体のreplication error(RER^+)とミスマッチ修復系遺伝子発現の検討
- 391 NOS阻害剤を投与した妊娠ラットの妊娠中毒症様症状に対するL-arginineの効果について
- 25 子宮頚癌術後の膣断端部HPV検出による再発のhigh risk groupの検討
- 組織学的所見 (特集 胎盤) -- (胎盤の病理学的所見)
- 妊娠ラットへの一酸化窒素合成酵素阻害剤投与時の赤血球の変化
- P-86 一酸化窒素合成酵素阻害剤による妊娠中毒症モデルラット胎盤迷路層の血管内腔および赤血球の形態変化について
- 282 エンドトキシン投与妊娠ラットにおける組織変化と誘導型一酸化窒素合成酵素の発現
- 131 子宮頚癌術後の予後と腟断端部HPV発現の関係
- 117 CINにおける3番染色体のallelic lossとreplication error(RER+)の検討
- 妊娠中毒症病態への新しいアプローチ : 胎盤の形態から(シンポジウム : 妊娠中毒症病態への新しいアプローチ)
- P-108 一酸化窒素合成酵素阻害剤による妊娠中毒症モデルラット胎盤の微細循環動態について
- P-107 妊娠中毒症と常位胎盤早期剥離の胎盤におけるアポトーシス発現様式の差について
- 373 妊娠中毒症胎盤のSyncytial knotの生物学的役割について
- 一酸化窒素合成酵素阻害剤を投与した妊娠ラット胎盤迷路層における赤血球の形態変化について(一般演題:ポスター)
- P-206 子宮頸部病変における形態学的にみたHPV DNAの多様性について
- 415 L-ニトロアルギニン誘導性妊娠高血圧ラットの妊娠中毒症モデルとしての有用性の検討
- 胎盤における一酸化窒素合成酵素と血管新生について(妊娠と微小循環)
- 410 胎盤絨毛組織における増殖細胞の経時的変化および妊娠中毒症による変化について
- 298 卵巣癌における癌遺伝子(c-myc, hst, c-fgr, c-ros-1)の増幅, 多型性の検討
- 127 妊娠初期絨毛と妊娠中毒症胎盤絨毛とにおける絨毛新生様式の違いについて
- 431 悪性腫瘍に対する在宅化学療法のhigh risk factorについて
- 105.モノクロナール抗体HMST-1の婦人科悪性腫瘍由来細胞株に対する細胞障害作用の検討(婦人科13 : 培養細胞, 一般講演・口演, 第29回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- 母体血清中コラーゲン関連物質測定による妊娠中毒症発症予知(妊娠中毒症の発症メカニズムとその予知)
- 婦人科悪性腫腋瘍由来細胞株に対するモノクローナル抗体MSN-1,およびHMST-1の細胞障害作用の解析 : モノクローナル抗体の治療応用への基礎的研究
- 365 絨毛内胎児毛細血管内皮細胞のマイクロフィラメントの存在意義について
- 94 妊娠中毒症胎盤の超微形態学的研究 : 特に二重固定法と凍結固定法による差について
- P-292 母児接合部実験モデルとしてのTrophoblast (Tr)培養方法の検討