ヒト悪性卵巣腫瘍のhormone感受性に関する研究 : とくにgonadotropinの影響について
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概要
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悪性卵巣腫瘍の発育増殖に対するgonadotropin (Gn)の影響について, (1) subrenal capsule assay (SRCA)によるin vivoでの卵巣癌xenograftのhormone反応性, (2) FSH binding assayによる卵巣癌FSH受容体の有無, および(3) protein kinase C (CK)活性の卵巣癌における変化の面から, 18例の卵巣癌について検討し, 以下の成績を得た. すなわちその成績は, 1) SRCAでは, 検討例(15例)の73%でその効果判定が可能である. 2) pure FSH投与群, HMG投与群, あるいはBuserelin投与群ではいずれもxenograftが有意に増大し, このうちFSHに対する反応性が最も強いが, estradiol (E_2)投与群, RU38486 (RU)投与群でその増大が抑制されることを認めた. また組織学的に検索した場合, 全投与群に免疫反応を認め, とくにE_2投与群で顕著である. 3) ^<125>I-FSHに対する特異的結合をみた場合, 検討例(18例)の91%が陽性であり, ことにSRCAにてGnに反応した症例で有意に高い(p<0.05, t検定). 4) CK活性がGnによって有意に上昇することを認めた(p<0.05, t検定). したがってこの実験成績より, Gnはその受容体を介して卵巣癌の発育, 増殖に促進的作用を示し, また卵巣癌のCK活性に影響を及ぼす可能性があることを示唆しているものと受け取れる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-06-01
著者
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