産婦人科領域において得られた黄色ブドウ球菌の薬剤耐性について
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概要
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産婦人科領域において得られた病巣由来の材料の細菌学的検査が大学付属病院中央検査室で行われた。その結果を他病院の総合的結果と比較検討すると, グラム陽性球菌の分離頻度の高いことが判明した。その中で, とくに, Staphylococcus aureusを選び薬剤耐性を調査した。β-Lactam剤耐性株の多いことが注目されたが, メチシリン耐性株 (Methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA) も多く認められ, 今後の診療および疫学上, 注目すべき課題と思われた。MRSAの耐性機構はペニシリン分解酵素の産生によるものではなく, 新しいペニシリン結合蛋白 (penicillin-binding protein : PBP) の産生によることが結論された。MRSA出現の理由について検討し, その対策を述べた。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-04-01