シングルスピン非対称が拓くハドロン物理の新展開
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概要
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1991年にフェルミ国立加速器研究所の実験E704が報告したパイオン生成における大きなシングルスピン非対称(SSA)は, 摂動論的量子色力学を基礎にした高エネルギー反応に関する理解の枠組みを大きく拡張させることになった.SSAは強い相互作用におけるカイラル対称性の破れを反映するもので, その発現機構の解明は, ハドロン中のクォーク・グルーオン相関やパートンの固有横運動量などの定式化を含む量子色力学(QCD)研究の新たな流れとなっている.実験的にもブルックヘブン国立研究所(BNL)の偏極陽子・陽子衝突加速器RHICなどを用いたより高いエネルギーでのSSAや, レプトン核子衝突におけるSSAなどの測定が進行し, 新たな理論的枠組での理解が前進している.この解説では, これらSSA研究の現状を報告する.
- 2005-07-05
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