金属中の磁気モーメント(<特集>近藤効果はめぐる : 近藤効果40周年)
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概要
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金属中の磁性不純物の磁気モーメントに関する研究の歴史を振り返る.マンガン原子をアルミニウム金属に希薄に入れると磁気モーメントを持たず,それを銅金属中に入れると持つようである.電子相関による磁気モーメントの発生についてのアンダーソンによる説明を紹介した後,金属中の局在磁気モーメントが存在するときは,近藤効果によって抵抗が絶対温度Tの関数として対数的に増大し,抵抗極小を示すことが説明される.この対数発散は低温でスピン一重項を形成し,縮退を解くことによって解決される.こうして磁気モーメントが発生したときも,局在磁気モーメントは伝導電子とスピン一重項を形成することによって消滅する.実は基底状態は常に磁気モーメントが存在しないフェルミ液体であり,クーロン斥力の強さに関して物理量は解析的であることが示される.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 2005-02-05
著者
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