界面上の微粒子にはたらく普遍的2次元力
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概要
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界面や膜中に分散して存在する物体間には, 表面張力を介して界面と平行な方向に力がはたらく. これを横毛管力(lateral capillary forces)と名づけ, 精密に研究した. この力はスケールを問わずあらゆる物体間にはたらく普遍的な力で, 2次元世界の重力または電気力に相当する. 物体の大きさとぬれの性質に依存し, 引力にも斥力にもなり, かつ微粒子に対しては距離依存性が逆1乗則に従う. また種々の力のバリエーションが生まれる. 元来この力はモノが水表面上で集まるという常識的事実の裏側に隠されていたもので, 理論先行で始まったが, 力の実測で科学となった. 横毛管力は力の起源が目に見える形で理解されるので, 重力理論の2次元モデルとしでもわかりやすい教育的素材を提供している.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1999-07-05
著者
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永山 國昭
統合ハイオサイエンスセンター:岡崎国立共同研究機構
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永山 國昭
総合研究大学院大学生理学研究所
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Kralchevsky Peter
LTPH, Faculty of Chemistry, Sofia University