回転水槽に現れる流れの構造とその安定性
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概要
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同軸の二重円筒間に水を入れ, 内壁を低温に, 外壁を高温に保ち, 回転台にのせて回転させるとき, 水の運動は二つの異なる様式を示す. 壁間温度差を一定に保って, 静止状態から回転数を上げていくと, ある回転数までは, 回転軸に対称な流れが持続する. この臨界回転数を越えると, 流れは水平渦運動の卓越する波動に転移する. この臨界点は温度差と回転数の組み合わせでほぼ一意に決まる. 波動の構造は, 低圧部の前面(波の進行方向)が高温で上昇流, 後面が低温で下降流となっていて, これは波動の出現が, 壁間の温度差に基づく位置エネルギーの解放に伴う不安定現象であることを示す. 地球大気中の温帯低気圧の発生と力学的に相似な現象である.
- 1977-08-05