ジーナス統計を用いた宇宙の大構造の定量化
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概要
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この20年来, 銀河を越えるスケールの驚くべき宇宙の大規模構造の存在が次々と明らかにされつつある. その結果, 銀河団の存在, さらにはそれ以上のスケールの大構造である超銀河団の存在がわかってきた. 超銀河団は単に銀河団の集まっている孤立した領域ではない. フィラメント状あるいはシート状に連なった, 複雑なトポロジーを持った構造なのである. このような構造を定量的に調べるにあたって, これまで伝統的に用いられてきた統計量である2点相関関数などは適切であるとは言いがたい. そこで比較的最近, 大規模構造のトポロジーを直接定量化する方法として, ジーナス統計が提案された. ここではこの宇宙のゆらぎの新しい定量化の方法について解説し, 宇宙論的意義について述べてみたい.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1996-04-05
著者
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