水素結合をもつ強誘電体
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概要
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強誘電性を示す一群の結晶の中に, 水素結合が主役を演ずるものがある. リン酸二水素カリウム(KH_2PO_4)を代表とする強誘電性結晶がそれである. 水素結合が強誘電性の要となっていることを知るには, 水素を重水素で置換してみればよい. 相転移の起こる温度がほとんど2倍に跳ね上がる. こういう顕著な同位元素効果は他にはちょっと見られない. その原因は水素と重水素の質量数の差に帰せられるから, 水素原子の量子力学的な運動が利いている. 一番分かりやすいのは, 二つの安定な位置のあいだを水素がトンネル運動するというモデルである. このようなトンネル運動モデルの当否を主題として, 水素結合型強誘電体の研究を概観する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1991-01-05
著者
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