複雑系の光物性 : ミオグロビンのレーザー分光を中心に
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概要
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生体物質などのように非常に複雑な物質の研究は,今後の物性研究の一つの方向であると考えられる.ここではそのような試みの一つとして,色素蛋白質の一種であるミオグロビンの場合を例にとり,立体構造の揺らぎや液体-ガラス転移,構造変化のダイナミクスなどを,分光学的な手段により研究する問題について簡単に紹介する.レーザーを用いたサイト選択分光の方法が,このような問題にきわめて有効な手段であることを示す.観測されたミオグロビンの励起状態の緩和は,複雑系物質に特有な階層的に束縛されたダイナミクス(hierarchically constrained dynamics)が明瞭に見られた初めての例ではないかと思われる.
- 1995-05-05
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