新技術による宇宙の広域探査 : スローン・ディジタル・スカイサーベイ
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概要
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宇宙の成り立ちを研究する宇宙論は,近年ようやく多数の銀河の観測データに基づく実証的研究の基礎が築かれた.しかし一方観測が進むにつれ,我々がこれまでに観測した空間は,大規模な非一様性を示す宇宙の中であまりにも小さく,また我々が詳しく観測した銀河の数は,多種多様な銀河の性質と進化を統計的な意味で正確に記述するにはなお不十分であることも明らかになった.このような状況を打破すべく,現在の天文観測技術の粋を集めた銀河の大規模な観測計画が,アメリカの七つの研究機関と日本のグループの共同で進められている.口径2.5mの専用の広視野望遠鏡を建設し,全天の約4分の1の天域を,大型CCDカメラにより五つの波長帯で観測し,そこから選びだした100万個の銀河と10万個のクェーサーの分光観測を行う.計画完了には5年を要するが,現在95年秋の試験観測をめざして準備が急ピッチで進行中である.本稿では学術的背景と意義を含めた計画の概要を紹介する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1995-03-05
著者
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