減食および運動負荷時にみられる栄養生理学的変化
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概要
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成人女性の減量における減食と運動負荷の栄養生理学的変化をみる目的で2つの実験を実施した。最初には日常生活に支障を与えない程度(270Kcal/day)の運動負荷を伴い,かつ摂取たん白量を1.45g/kgB.W。の同一水準とした時に摂取エネルギー量だけを体重1kg当り30,25および20Kcalと変化させ,体重および窒素出納の変動をみた。2つ目には運動負荷の開始時期を低エネルギー食と同時に併用した群と一定期間遅らせた群とに分け,その減量の影響を比較検討した。その結果次の知見をえた。1.摂取エネルギー量が30Kcal/kgB.W.では体重減少量は少なく,20Kcal/kgB.W.では350g/dayと多かった。しかし,その多くが体たん白による減少であった。25Kcal/kgB.W.では150〜200g/dayの体重減少であり,かつ窒素出納は正を保ち,Hb値は低下しなかった。それゆえ成人女性が適度な運動負荷を伴う減量の際,25Kcal/kgB.W.は体脂肪を減少させるにふさわしい摂取エネルギー量と考えられる。2.減量時,減食と運動負荷との最初からの併用はたん白代謝を先進させ,体たん白の過剰崩壊を招く。したがって,運動負荷を開始する時期は生体が低エネルギー食に対する適応が成立(少なくとも窒素出納が正を保つ時)した後に実施するのが望ましい。
- 1980-09-01
著者
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