各種負荷強度の律動的作業中にみられる前腕血流量の変動

概要

論文の詳細を見る
1.最大筋力の5, 10, 20, 30%の負荷を用いて前腕の律動的作業を行わせた時の作業中と回復期の血流量を静脈阻止プレチスモグラフ法を用いて連続的に測定した。2.最大腕力の5%の負荷で得られた律動的作業中の血流量は, 3分間の作業中に定常状態になる傾向がみられた。3.最大筋力の10%の負荷で得られた作業中の血流量は, 作業開始後約1分30秒までは急激に増大し, その後, 作業終了までゆるやかな血流量の増す傾向がみられた。4.最大筋力の20, 30%の負荷で得られた作業中の血流量は, 作業終了まで急激に増大してゆく傾向がみられた。5.最大筋力の5, 10%の負荷で得られた作業終了直前の血流量は, 作業終了直後の血流量に比べてほぼ同じか, 作業終了直後血流量が作業中血流量を上廻ることがなかった。6.最大筋力の20, 30%の負荷で得られた作業終了直後の血流量は, 作業終了直前に得られた血流量に比べて高い値を示した。7.以上の結果から, 最大筋力の10%までの負荷を用いた前腕の律動的作業では, 作業中に筋作業の代謝に必要な血液量が供給され, 疲労することなく作業が長く続けられると考えた。
日本体力医学会の論文
1983-04-01