青年の不壊,危機行動と適応(学会(研究委員会)主催の外国人研究者の講演[2002年7月30日(火)に横浜市立大学アーバンプラザで開催された講演に基づく])
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概要
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初期青年の不壊尺度(Adolescent Invulnerability Scale-AIS)の因子構造と構成概念妥当性についての研究を述べる。後期青年について先行研究(Duggan, Lapsley, & Norman, 2000)は,AISは「危険への不壊」(danger invulnerability)と「心理的不壊」(psychological invulnerability)の2つの因子で構成されると報告している。これらの因子はまた内的一貫性と構成概念妥当性を示した。危機行動,薬物使用,鬱症候と正の適応の指標とAISを238名の初期青年(平均:13.19歳)の研究結果について述べる。主因子分析で3つの因子,一般的,危険と対人的不壊が得られた。各因子とAIS総計に強い内的一貫性が見られた。 AIS総得点と各下位尺度は非行的危機行動と正の相関があった。一般的と対人的不壊は鬱症候を示さなかったし,不壊感の各次元は習熟と対処と正の相関を示した。それは青年の発達に二重の役割を果している。初期青年の第3の因子,対人的不壊は,後期青年期より相対的に同輩に焦点を当てることに帰属している。
- 2003-03-30