幼児に奉ける不定数量語の意味の測定 I
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概要
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従前の処方法とちがった,新しい方法を採用することによって,就学前幼児を被験者として意味測定を試みた.従来用いられていた意味測定法の幼児への運用がほとんど困難であるのに対して,この方法では,ある一定数のオハジキの入った容器の中から「多く」,「少なく」etc.取り出すという手続きの簡易さゆえに,かかる幼児にも十分適用できるという長所をもち,しかも質問紙法などと違い,行動を通して,操作的に意味を決定すると言う点に意義がある.容器内のバックグラウンド数としては100,200,300の場合が取り上げられ,刺激語には「非常におおい」,「多い」,「多くも少なくもない」,「少ない」,「非常に少ない」の5語,実際のテストには生活年令4才,5才,6才の幼稚園児各30名,計90名が被験者として用いられた.この実験の主要な問題はバックグランド数,刺激語,年令の3条件のそれぞれの変化によって得点(取り出された数)にどのような変化が居られたかということである.
- 日本教育心理学会の論文
- 1960-09-30