青年期における興味発達の縦断的研究
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概要
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高校の普通科,商業科,工業科,農業科所属の2学年男子の自由記述によって得られた各種の興味を用い,156項目からなる興味調査を381名の男子に中学2年,2年後,4年後の3回にわたって縦断的に実施した。各項目への反応を45の尺度得点としてまとめ,(1)45尺度の発達的変動において,多くの尺度は中2〜2年後の変化の方が2年後〜4年後の変化より大きい。(2)45尺度の中2〜2年後と2年後〜4年後の相関係数を比較すると一般に後者の方が大きい傾向がみられる。(3)バーリマックス法で因子分析すると,7つの共通因子が抽出された。1.科学技術2.言語3.戸外4.農林業5.非専門職6利権7中学2年の一般的興味である。これらの因子について,次のような傾向が認められた。a科学技術と言語的興味とは中学から高校にかけて分化しながら著しく変動する。b戸外と農林業への興味とは余り変動がみられない。前者の興味は中学2年でほとんど結晶化されており,後者の興味は本研究の調査対象の特殊性のため,発達的変動を表わさない。C.会社員・銀行員,下級技術者など非専門職への興味は中学2年以後は減退し,利権への興味はそれと逆に増大する傾向がある。d.中学2年の一般的興味の因子においては文科系,理科系のみでなく芸能系の興味がいわば未分化の形で含まれている。e希望職業,好きな学科,趣味の領域で連続3回同一選択をした青年は1図もそれを選択しなかった者に比べ,その選択にふさわしい因子の因子得点を示す傾向がみられる。
- 日本教育心理学会の論文
- 1977-09-30
著者
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