運動反応の速度と正確さにおよぼす刺激系列の冗長度の効果
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概要
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Exp.Iでは,小1,小3,小5,中1,大学の被験者に,0〜5次のいずれかで冗長度が約70%に達する刺激系列(それ以下のorderでは少ない)を与え(300trials/1条件),冗長度の利用とorderの関係,および発達的傾向を,RT(対数)とエラー数(開平変換値)によって調べた。(1)C(1),C(2)のRTは全学年で進歩しており,C(3)は小5以上で,C(4)C(5)は大学で進歩した。(2)しかし,RTの冗長度への回帰検定によると,この進歩は,低学年では2次冗長度の,高学年では2次および3次冗長度の効果(3次の効果は弱いが)であることがわかった。(3)3次冗長度の効果は小5,中1では200tria1s以後に,大学では200trials以内に現われた。以上から,年齢を問わず2次冗長度の効果を受けること,3次冗長度の利用には2次冗長度の利用以上の練習期間が必要なこと,および,高学年の方が冗長度の効果を強く受け易い傾向があることがわかる。(4)エラーと冗長度とは,小5においてのみ直線関係があり,この種のS-R事態では,エラーはあまり影響を受けないことがわかる。Exp.IIでは,Exp.Iで認知の臨界一点にあるとみられた3次冗長度が,2次と同等レベルまで利用され得るかどうかを,試行撃を増し(2000/1条件)て大学生で調べた。
- 日本教育心理学会の論文
- 1973-06-30
著者
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