児童における「家族好性序列」の意義に関する二.三の吟味
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概要
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「家族好性序列法」の回答である父母に対する関係によって子供を2群にわけ, 父母にたいする関係の正常な群に比して, 異常な群が, ロールシャハテストのかっか総反応数が少いことが見出された。この事を, それが両群の反応意欲の差であり, 異常の方が我々の定義によって相対的に強くfrustrateされた行動であったのであるとみようとした。もしそうみることが妥当ならば家族序列法の回答から父母への人間関係が普通から外れていると推定される(その点でfrustrateされていると推定される)児童の群の方が相対的にfrustrationの度の大きい行動傾向を示すとみることが出来る。この推論の妥当性は, 今後尚検討されなくてはならないが, 両親と児童の人間関係と児童のパーソナリティ形成, 或いは行動傾向との間の関係を問題にする際の一つの小さな寄与ともなり得れば幸せである。尚R(総反応数)の解釈に人間関係のfrustrationを考え得る可能性をみ得たことは, ロールシャハテクニィク研究の上にも一つのみのりであったように思える。
- 日本教育心理学会の論文
- 1954-04-01
著者
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