知能観が非意識的な目標追求に及ぼす影響
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概要
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動機づけや目標の非意識的な生起や追求に着目した近年の研究では, 行為者の自覚なしに生じる動機づけが行動や感情に影響を及ぼすことが示されている。これらの研究は環境による自動的過程の影響を強調しているが, 個人内過程の役割を十分に考慮していない。本研究は, 非意識的な達成動機の影響が個人の持つ知能観によって調整されることを検討した。研究1では, プライミングによって達成動機を活性化された参加者は, 統制条件の参加者よりも後続の課題の遂行が高まっていた。また, 課題遂行後の感情は, 参加者が持つ知能観によって異なり, 実体的知能観を持つ者は, 増加的知能観を持つ者と比べて否定感情を強く報告していた。研究2では, 参加者の持つ知能観と一致している目標と一致していない目標の活性化の影響を検討した。参加者が持つ知能観と一致する目標が活性化された場合には, 課題遂行の向上が見られたが, 一致していない場合には, この促進効果が見られなかった。よって, 個人の持つ知能観が, 達成動機と目標の連合を調整すると考えられた。個人の信念が非意識的な動機づけと目標の連合に影響するメカニズムについて論じる。
- 日本教育心理学会の論文
- 2005-03-31
著者
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